妻に断れた夜は義母が慰めてくれる...【朗読・小説】

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【作品名】
妻に断れた夜は義母が慰めてくれる...【朗読・小説】

【ストーリー】
僕の名前はとおる。今年で42歳になる、どこにでもいるような中堅サラリーマンだ。これから話すのは、僕の人生を大きく変えた、よしえとの出会いから始まる、そして今も続いている複雑な愛の物語だ。正直に告白すると、今でも僕はこの関係をどう整理していいのか分からないでいる。

罪悪感と安らぎ、愛情と依存、様々な感情が入り混じって、自分でも収拾がつかなくなっている。でも、誰かに聞いてもらいたくて、こうして筆を取ることにした。僕は三人兄弟の末っ子として生まれた。兄とは八歳、姉とは六歳も歳が離れていて、両親からも兄姉からも、

まるで宝物のように甘やかされて育った。典型的な末っ子気質で、何をしても許される環境で育ったせいか、大人になっても甘えん坊な性格は抜けきれなかった。自分でも情けないと思いながら、職場でも誰かに頼りがちで、責任から逃げる癖があった。決断力もなく、

いつも誰かの後ろに隠れているような、そんなダメな人間だった。そんな僕が、運命の人であるよしえと出会ったのは、今から15年前の春のことだ。当時僕は27歳で、大学を卒業して入った中堅商社の営業部に、他部署から異動してきたばかりの新米営業マンだった。

それまでは総務部でぬるま湯に浸かっていたような生活をしていたが、会社の方針で営業部に回されたのだ。正直、営業なんて向いていないと思っていたし、不安でいっぱいだった。よしえは僕より3歳年上の30歳で、すでに営業部のエースとして活躍していた先輩だった。

初めて営業部のフロアに足を踏み入れた日、部長から「とおる君の教育係は、よしえ君にお願いしてあるから」と言われた時のことを、今でも鮮明に覚えている。振り向いたそこには、長い黒髪をきっちりとシニヨンにまとめ、紺色のパンツスーツを完璧に着こなした女性が立っていた。

切れ長の目に、きりっとした眉、薄く引かれた口紅。まさに「できる女」を絵に描いたような人だった。「はじめまして、よしえです。よろしくお願いします」凛とした声で挨拶をされ、僕は緊張で声が裏返った。「あ、はい、とおるです。よ、よろしくお願いします」

三人兄弟の長女として育ったよしえは、責任感が強く、ストイックで真面目、そして努力家だった。朝は誰よりも早く出社し、夜は最後まで残って仕事をしていた。資料作成も完璧で、プレゼンテーションも堂々としていた。でも、そのせいか人にも厳しく、

最初は正直、怖い先だと思っていた「とおるくん、この資料、ミスだらけよ。数字が間違ってるし、グラフの体裁も整ってない。もう一度最初からやり直して」よしえの言葉は、いつも的確で容赦なかった。僕は何度も資料を作り直し、企画書を書き直し、プレゼンの練習を繰り返した。

「とおるくん、取引先との電話、声が小さすぎる。もっとはっきり、自信を持って話しなさい」「とおるくん、商談の時の姿勢が悪い。背筋を伸ばして」「とおるくん、名刺の渡し方が雑。相手に失礼よ」毎日のように叱られ、ダメ出しされる日々が続いた。


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