将来歯が抜けることが憂鬱だ（7年05月18日）
Автор: 浄土真宗講義【公式】
Загружено: 2025-05-19
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【1️⃣質問】
🟨将来、歯が抜けて気持ちが憂鬱になる。どうしたらいいですか？
【1️⃣回答】
🔷なぜ憂鬱になるのか？
良くなることがないということは、元には戻らない。
🔶自分では時間が止まっている。憂鬱になるのは時間が止まっていると思って毎日、過ごしていたのに、実際は時間が過ぎていたからです。
🔷時間をちゃんと使っていなかったからです。
🔶今日はこれをしよう、あれをしようと、ちゃんと時間を使って来なかった。
🔷意識をして時間を使って来なかった。
🔶つまり、時間をちゃんと使わないと人生の本番を生きなくて済むと思っている。
🔷今、自分の人生は本番の人生ではなく、リハーサルの人生を生きているということです。
🔶リハーサルとは、そこでどんなに傷つこうが、駄目になろうが、私の本当の人生でないから、言い訳が立つ。
🔷だけど本番の人生なら、言い訳が立たない。本当はどんな生き方をしても、その人の人生は本番なのです。
🔶自分の納得のいく時間の使い方をしている訳では無いので、それが本番であると、
「こんなことのために生きている！」と思いたくない。
🔷ちゃんと使わなければ、元に戻る。やり直しが利くという所に立って生きている。
🔶ところが歯が抜けるという事実が見えた時に、憂鬱なのは、それだけ時間が過ぎたということなのです。
🔷そして、ちゃんと過ごしていない時間が見える。
🔶自分の中でちゃんと過ごしていたら、歯が抜けるということになったとしても、自分で精一杯生きたから、それは仕方ないと思える。
🔷どこかで元に戻る、時はまだ進んでいない。
🔶自分の肉体は何も変わらないままで、これから人生について考えていけばいいんだ！と思って生きておれた。
🔷だけど歯が抜けることを通して、これから人生について考えておればいいと思っているうちに日が過ぎてしまったんだなあ、と見える。
🔶自分の人生は何をして過ごしてきたのか、と考えてしまって憂鬱になるのです。
🔷怖いです。今までは時間をちゃんと使わなければ、時間は止まっておれると思って生きておれる。
🔶時間をちゃんと使うとは、死を前提とした生き方に変わる、ということです。
🔷その先に死が待っているという前提にして生きていく。
🟨考え方が変わるということですか？
🔷今日という一日は二度と戻らないんだと思って生きる。
🔶歯でいうと、歯が全部揃っているという日は戻らない。
🟨そんな生き方は出来るものなのですか？
🔷凄く怖いです。死ぬという前提として生きると、今までと同じような生き方は出来ません。
🔶今までは時が止まっていると思って生きている。だけど実際に自分の身の上に起きる無常を通して、時は過ぎている事が分かる。
🔷その度毎に憂鬱になる。
「何で時は止まっていなかったのか！」と思う。
🔶それが本当に生きる。時間を使うということは死を前提にして生きるから、それは生き方は変わります。
🔷戻らないと思って生きますから。
🟨例えば、どういうことになりますか？
🔷例えば、お金を貯金するとします。十年後に倍になる。魅力的と思う。
🔶それが全然、魅力的と思わなくなります。十年過ぎている。
🟨では何のために生きているのですか？
🔷そう。何のために生きるかを考えずにおれなくなる。
🔶今までは、ただ生きている時間をお金を稼いで、お金が増えていくことが楽しみだと思って生きておれた。
🔷でも死を前提にして生きるとなるとお金が増えている間に死んでしまう。
🔶では何のために生きるかとなる。ただ生きて、ただ死ぬだけとなる。何のために生きるかを真剣に考えずにおれなくなる。
🟨何のために生きるのですか？
🔷それは当然、その時になって考えて頂きたい。勿論、仏教では答えがあります。
🔶その時になって、自分で考えないと受け売りの答えを聞いても駄目なのです。
🟨仏教的な答えを受け入れていくのでは駄目なのですか？
🔷仏教というのは時間が止まっている人生が時間をちゃんと使っていく人生に変わる。これが仏教です。
🔶そうすると何のために生きているの？と考えるようになる。考えずにおれない。
🔷人間は必ず死んでいかなければならないと考えずにはおれない。
🟨歯が抜けることを調べると歯磨きをこうしたらいい、と毎日を繰り返していけばいいとあった。
🔷そういうのも時間をちゃんと使う。
🟨それをやると面倒臭いと思ってしまう。
🔷面倒臭いことをやっていく。面倒臭いと感じるのは、人生は他にもっと色々とやるべきことがあると思っているからです。
🔶でも仏教が分かってくると、先ずはこの肉体を少しでも長らえることが大事だとなります。
🔷寿命を一日、延ばしたら、その分だけ、やれることが増えるのです。
🔶面倒臭いと思うことをやって、時間がかかったとしても、その10分で一日延びるなら、嬉しいことです。
🟨これからは身体のケアとかに時間が取られてしまう。
🔷歳を取るということは、身体のケアのために大分、時間がとられてしまうのです。
🟨身体を維持するために時間ではないですか？
🔷そうです。維持するためだけの時間です。元に戻る時間ではないのです。
🔶だからこそ、ケアをしてまで、なぜ生きる！となる。
🟨とりあえず憂鬱な気持ちはどうしたら抜けるのですか？
🔷憂鬱な気持ちは、時間が過ぎた、大切にしていなかった時間、身体を受け入れれば、憂鬱は消えます。
🟨どうやって受け入れるのですか？
🔷今からでもいいから、歯を磨いて大事にしていく。それでも歯が悪くなっていくことを通して、自分って大事にしてこなかったんだなあ、と受け入れる。
🔶受け入れるためには、自分の中で仕方がないと思うほど、対策を立てないといけない。
🔷歯が抜けるんだ、と憂鬱になってもなくならない。今からでもいいから、歯を磨いていこうとする。
🔶それでも大事にしてこなかったものは進んでいく。
🔷それを通して、もっと早く大事にしておけば良かったと思うから、自分で今、努力しているからこそ、現実という時間が過ぎたことを受け入れることが出来る。
🟨それは後悔みたいなことにはならないのですか？
🔷後悔とは元に戻ると思っている。元に戻るとは、ちゃんと使わなかったから、元に戻ると思っている。
🔶ちゃんと使えば、元には戻らないと受け入れられる。
🟨僕の場合ならば、ちゃんと歯を磨くことですか？
🔷ちゃんと磨いていくことに時間を使っていく。
🟨そうすると憂鬱な気持ちが減っていくのですか？
🔷自分の中で、まだ歯が残るように一生懸命に努力することによって。
🟨努力することによって、憂鬱な気持ちが減っていくということですか？
🔷そうです。
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