大霧山(秩父比企三山)|曇り空、峠のむこう。絵のような山村、その風情にふれる道。
Автор: ぼっち登山日和
Загружено: 2025-06-23
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大霧山は埼玉県の秩父・奥武蔵エリアに位置する標高767mの里山で、堂平山、笠山とともに「比企三山」の一つとして親しまれています。
低山でありながら関東平野を一望できる絶景と豊かな自然環境が魅力の人気ハイキングスポットです。
この日は曇りの予報。
曇りや雨の日には、晴れた日には見えない風景が現れる。
だから私は、梅雨のこの季節にこそ、曇り空に似合う山を探したくなりました。
今回選んだのは、秩父の大霧山──その麓に広がる「絵のような山村」、朝日根をめぐる山歩きです。
あるいは、雨になることも考えながら、ルートを探していたところ、秩父高原牧場の写真が目にとまりました。牧場のために切り開かれた、たおやかな稜線の上を、大霧山の山頂へ向かう一本の道がのびていました。その道は、まるで蒼天へと続いているかのように感じられました。(行くのは曇り空ですけどね)
その麓の斜面に、「朝日根」集落が位置しています。
調べていくうちに知ったのは、朝日根がかつて「絵のような山村」と呼ばれていたということ。
この表現は、紀行作家・岡田喜秋が著書『山の賛歌』の中で、対面の堂平山から見下ろした朝日根集落の印象として記したもので、谷を隔てて遠くの山腹に点在する家並みの美しさを「絵のような」と称えています。
朝日根集落を抜けると秩父高原牧場の敷地に入る地形であり、牧場と集落は隣接した関係にあります。朝日根を含む東秩父村の斜面集落(皆谷、子安戸など)は、山の斜面に家々と畑が点在し、昔ながらの山村の風景が残っています。
斜面の上部に広がる牧場の存在は、集落から見上げると非常に大きく、生活圏のすぐ上に広大な県有地が広がっているという構図です。
大霧山の中腹に広がるこの牧場は、「彩の国ふれあい牧場」として観光施設の一面を持つ一方で、埼玉県の畜産技術研究所が管理・運営する公的な施設でもあります。
過去には、この牧場開発のために山の木々を伐採したことが、水田の消滅につながったという記録も残されています。森林伐採によって水源の涵養力が落ち、農業用水が足りなくなり、田んぼを維持できなくなったのだといいます。
けれど、そのような変化に対して、朝日根をはじめとする集落の人々が抗議や対立の姿勢を見せたという記録は、ほとんど見あたりません。
そこには、なんとなく、静かな受容の空気があるように感じられます。
かつての風景を心にとどめながらも、今あるかたちのなかで暮らしを続けていく──。
変わりゆく風景の中で、人びとは変化を押し返すのではなく、抱きとるように生きているのかもしれません。
行程の半分は舗装された車道でした。
それでも、曇り空の下、やわらかな稜線と、今もそこにある暮らしの匂いにふれて、
いつのまにか、私の中にも、山村の小さな風景がしずかに根を張っていました。
撮影日:2025年6月8日(日)
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