不眠症の認知行動療法【考え・行動・体の状態から不眠にアプローチ、精神科医が10分でまとめ】
Автор: こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】
Загружено: 2023-01-19
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0:05 はじめに
0:41 不眠症の認知行動療法で扱う要素
1:30 ①考え(認知)へのアプローチ
3:40 ②行動へのアプローチ
5:44 ③体の状態へのアプローチ
6:34 ④不眠症の疾患教育
8:44 まとめ
「不眠症(睡眠障害)」は様々な理由・背景で眠れない症状。睡眠薬は強力ですが依存などもあるため、認知(考え)・行動・体の状態にアプローチする「不眠症の認知行動療法」が選択肢になります。
精神科医が約10分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com
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↓↓内容の詳細は下記になります。
<はじめに:不眠症の認知行動療法>
今回は、「不眠症の認知行動療法」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。不眠症は約5人に一人の方がなる大変一般的な病気です。その中で、確かに薬の治療は強力ですが、依存のリスクなどもあり、できるだけ「薬以外の方法を取れるといい」のも確か。
そこで出てくるのが、考えや行動に着目した「認知行動療法」になります。
今回は、不眠症の認知行動療法についてやっていきます。
<不眠に影響する3要素と疾患教育>
まず、不眠はどんな時に起こるかというところを見ていきます。主な不眠に影響するものは認知行動療法では大まかに3つあります。
1つ目は考え、いわゆる認知です。考え事や自分で自分を追い詰めてしまう考えが出てきたりすると、これは寝にくくなってしまいます。
2つ目は行動です。眠りに悪い行動や、リズムの乱れなどがあると、これは寝にくくなってしまいます。
3つ目は体の状態です。緊張した状態が続いているなどがありますと、これはやはり寝にくくなってしまいます。
ここで不眠の認知行動療法への介入点は、今の3つ考え(認知)・行動・体の状態、そしてその土台としてのいわゆる病気を知る「疾患教育」というところが入ります。
これを順番に見ていきたいと思います。
(1)考え(認知)
夜、考えすぎて眠れないということがあります。ここでの「考え」の問題点は大きく言うと2つです。
1つ目は、「考えの内容」自分を追い詰めてしまうということ、2つ目は「考えること自体」になります。
まず、考えの内容というところですけれども、ある種の「べき思考」であったり「完全主義」に注意が必要です。
例えば「8時間寝ないといけない」等の完全主義があるとプレッシャーになってしまいます。後は「寝ないとまずいことになってしまう。だから寝るべきだ」こういう「べき思考」をやってしまうと、やはりプレッシャーになってしまいます。
ここで「認知再構成」、別の見方を探していきたいわけです。
例を見ていくと、まずは「いくらか寝れれば0よりはマシだ」というふうに考えると少し楽になります。
そして、「仮に寝れなくても最悪何とかなる」と思えると、またプレッシャーが減ります。
これらをしていくと、結果としてかえってプレッシャーが減って寝やすさに繋がっていきます。
次いで「考えること」なんですけども「考えること自体」が、不眠を誘発すると思われます。考えると脳が活発になって「交感神経優位」になって寝にくくなります。
一方で、確かに夜は考え事をしやすい。なぜならば、日中、いろいろな他のことをやっていて、それが終わった夜にふっと考える隙間が生まれます。
それで人によっては「夜考える」が習慣になってしまっている方もいます。
そして、夜考えると昼考えるのと比べると、もしはまってしまった時に他のことへ逸らしにくいです。
では「夜考えない対策」、うまくいきづらいのが「考えない」という対策。「考えない」と一番いいんですけど、どうしても押し込めても考えて出てきてしまいますので、これは意外と難しい。
一方で「考える時間をずらす」だとあんまり抑え込むことにはならず、まだ対策をとりやすいところがあります。夜じゃなくて日中や夕方に考えるとか、あとは寝た後の朝に考えるとか、そういったルールを自分の中で設定できるといいかと思います。
(2)行動
自分の睡眠の関係した行動を知って、介入していくというのが行動になります。
①睡眠日誌
これは日々、大体何時に寝て何時に起きているか、昼寝も含めてそれを書いていく。
あと、他のいろいろ行動、ちょっと(寝る)その前にコーヒー飲んでしまったとか、そういうのも追加して書き、それを日々繰り返して書いて自分のパターンを見ていきます。
この睡眠日誌のコツとしては、一番大事なのはあまり完全主義にならずにアバウトに書いていく。それでしっかり続けることが一番大事です。
2つ目としては、そうやって書いていくことで、自分の眠りの全体像を客観的に見るというのが大事になります。案外、自分でこう思っているのと、そういう客観視したものは違ったりすることがあります。
そして、その中で、例えば昼寝であったり、そういう睡眠に悪い行動をしていないかというのは、あまり寝れなかった日を振り返ることでチェックしていくというのは、日々の行動の改善に役立ちます。
②睡眠スケジュール法
これは効率的にしっかり寝るということで、ベッドなどで入ってから寝ない時間が続いてしまうと、これは逆に睡眠効率が悪くなってしまいます。
ポイントはまさにこの「睡眠効率」、これは式でいうと分母に「臥床時間」ベッドに入った時間が入って分子が「睡眠時間」、これに✕100をしまして、何%かというのを見ていきます。80以上だとまあいいというのが目安です。
より細かくやっていくと85以上あったらもう効率が良すぎるくらいなので、むしろ「臥床時間」寝る時間を延ばします。
80から84だとちょうどいいので、そのままやっていきましょうと。
80を切っていたら、これはちょっとベッドに入るのが早すぎるので、ベッドに入る時間を短くして、むしろ効率的に寝られるようにしていきましょうとこういったことをやっていきます。
(3)体の状態
ポイントは、特に寝る前にリラックスをはかるということになります。
まずは、リラックスを図るために日常でできることとしては、まずはストレッチなどリラックスできることを活用すること。
あとは日常の活動お風呂であったり、そういうことをうまく活用してリラックスを図っていくこと。
あと、ストレスはリラックスの大敵なので、なるべくストレスを溜めない発散していくということがあります。
より専門的なやり方としてはまず「漸進的筋弛緩法」。力を入れて抜くっていうのを繰り返し、(体の)色んな場所で(同様のことを)やっていってリラックスを図る方法を取ることがあります。
あとは「ボディスキャン」。これはマインドフルネスでよくやるんですけど、自分の体の状態に集中して、そのいろいろな場所に集中してリラックスを図るということをやっていく方法もあります。
(4)疾患教育
睡眠を学べば、日々の生活・行動のヒントになっていきます。ここでは、要点を大まかに見ていきます。
まずは「急性不眠と慢性不眠」ってことですけども始めは、数カ月以内はストレスなどで急性不眠になっていると、これは慢性化すると、いろいろ考える癖とか影響するので、なるべく急性史の段階で改善を図りたいというところです。
不眠症というただ眠りが短いだけではなくて、日中に不調があって初めて不眠症になるというところ。
また、「ストレスの影響」ストレスがあると、やはり寝にくくなるというところがあります。
次いで「体温のリズムと眠気」というところ、体温が下がったところに眠気が出ます。なのでお風呂直前に入ると寝にくくなるけども、2時間から3時間前に入ると寝やすくなるというのがあります。
つぎは「光と体内時計」の話です。日中に光を目で見ることによってリズムができていくというところになります。ずっと暗い部屋にいると、寝にくくなってしまうことがあります。
次は「日中活動と睡眠」というところです。生活リズムと睡眠の関係は大事です。昼はしっかり動いて夜・家ではリラックスするというのが一番土台になっています。
続いてが「考え・行動・体の状態の影響」というところ。これはまさに今回扱った話になります。
次は行動の短期効果・長期効果というところです。短期的にいいけど、長期的にダメということは控えていて、短期的にはきついけども、長い目で見て役に立つことをしていくと。ただ昼寝をするというのは短期的にはいいけど、長期的にはあまり良くない。一方で、寝るまで何とか我慢するっていうのは、短期的にはつらいけども、寝る習慣を作るには長期的には良かったりする。こういった話になります。
あと、「薬とそれに頼りすぎる時の危険」というところです。薬は急性不眠などに関してはしっかり効くということで大事です。ただ、寝なきゃいけないというところで、ちょっとでも寝れないと薬を増やすみたいにしていくとどんどん増えてしまったりするので、そういうところには注意が必要、ほかの方法も一緒にやっていくことが大事ということです。
次は「睡眠環境」になります。それはもう寝る寝室の環境というところもありますし、カフェインとかお酒とかを性質を知って、夜カフェインを飲まないとか、お酒はなるべく控えるとか、そういうふうな環境を整えていくということになります。
<まとめ>
今回は、「不眠症の認知行動療法」について見てきました。
不眠には考え・行動・体の状態が絡み合って、それで不眠になりますので、そこの介入ということが(不眠症の)認知行動療法で大事になってきます。
考えに対しては考える内容に関して認知再構成をしたり、考えるという時間自体をずらすというアプローチをしていきます。
行動に関しては、睡眠日誌を書いて自分の睡眠行動パターンを知るとともに、より専門的な睡眠スケジュール法といってより睡眠の効率を上げる方法論をとっていきます。
体の状態においては、睡眠と相性のいい「リラックス」を何とか確保していくということを目指していきます。疾患教育においては、睡眠について学んでいきまして、それによって日々眠りにとって有利になるような習慣を作っていくということが大事になってきます。
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【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。
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