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不安が強い人の対処法は?|原因と今日からの具体策【精神科医が解説】

Автор: こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】

Загружено: 2025-08-11

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質問「不安が強い人の対処法は?」に精神科医が回答します。
#精神科 #不安 #対処法

0:05 (1)はじめに
0:18 (2)元来の強い不安の影響と対策の限界
3:38 (3)不安が強い人の対処法は?
4:26 ①直面と動機付け
5:32 ②不安改善の取り組み
7:38 ③受け入れと環境探し
8:58 (4)まとめ

強い不安は不安障害になるなど生活にも大きく影響します。特に「元来の不安」は薬などの治療効果にも限界があります。まずは現実を受け止めつつ決意を持ち改善に取り組み、それでも残る特性を受け入れつつ合う環境を探します。

ご質問「不安が強い人の対処法は?」について、精神科医10分で回答しています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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詳しい内容はこちらです↓

(1)はじめに

今回お受けしたご質問は「不安が強い人の対処法は?」です。結論から申し上げると、「直面して悔しさから改善を、残る限界には受け入れを」という答えになります。

不安とは、未来への強い心配であり、本来は危険やストレスに備えるための正常な心の反応です。しかし、過剰になると日常生活に大きな影響を及ぼし、場合によっては不安障害という診断がつくこともあります。生活や人間関係にまで影響が広がることも少なくありません。

不安が強まる原因は主に3つあります。第一に、脳の不調という生物学的要因です。恐怖に関連する扁桃体の過活動や、うつ病と同様にセロトニンの不足が背景にあることがあります。第二に、仕事や家庭環境による強いストレスなど、出来事の影響による環境要因があります。第三に、もともと内向的で心配性、完璧主義といった気質的な要因も関係しています。

強い不安は様々な影響をもたらします。不安を感じる状況を避けることで行動が制限され、成長の機会を失うことがあります。また、常に心身が緊張状態にあるため、眠れなくなったり慢性的な疲労感や体調不良に陥りやすくなります。さらに、安心感を得るために周囲に何度も確認を求め、結果として他者を疲弊させてしまうケースもあります。

(2)元来の強い不安の影響と対策の限界

強い不安感は深刻な実害を招くことがあります。緊張や余裕のなさから人との関わりがうまくいかず、社会的な孤立につながることがあります。集中力の低下や挑戦を避ける消極的な姿勢により、本来の能力を発揮できず低評価を受けることもあります。そして、こうした低評価や孤立が「自分はダメだ」という否定的な自己認識を強め、さらに不安が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。

このような状況で特に避けるべき行動があります。不安から相手を巻き込んで過剰に確認を繰り返すことは、相手を疲弊させる他害行為になりかねません。また、自分が実行できないことへの不安から、挑戦する人を批評して見下し、挑戦できない自分を正当化しようとすることも周囲に害を与えます。相手に確認や相談をしておきながら、いざ助言をもらうとそれを無視するという行動も、相手を疲弊させる原因となります。

生まれながらの不安に対する治療には限界があることも理解しておく必要があります。後天的な不調と異なり、生来の特性に対する治療的介入の効果は限定的です。一般的な不安障害の第一選択薬であるSSRIなどの抗うつ薬も、生来の不安には効果が限定的な場合が多いのが現実です。不安に慣らす脱感作法も確かに有効ですが、様々な範囲に及ぶ不安をすべてカバーするには限界があります。

(3)不安が強い人の対処法は?

①直面と動機付け

まず必要なのは、自分の強い不安や現状に正面から向き合うことです。不安による実害や、理想に及ばない現実を直視することがスタート地点となります。このまま変わらなければ、今後も理想以下の現状が続くという悲観的な予測も受け止める必要があります。そして、この直面から生まれる苦渋や怒りを、変化への動機づけに転換していくことが重要です。

ただし、変化を妨げる心の壁に注意が必要です。周りや他者に責任を転嫁する他責、「理由があるから仕方ない」という言い訳、不安と向き合う苦痛からの回避。これらは変化への道を閉ざしてしまいます。

②不安改善の取り組み

次に、具体的な改善の練習を重ねていきます。避けていたことに簡単なものから挑戦し、「やってみたら意外と大丈夫だった」という成功体験を積み重ねる曝露療法が有効です。深呼吸や筋弛緩法などのリラックス法を日常的に練習し、心身の緊張に対処できるようにすることも大切です。

失敗を恐れず挑戦する習慣を身につけることも重要です。「失敗は回避よりまし」と考え、たくさんの失敗があっても自分の挑戦を認め、その結果として他者の挑戦も認められるようになると、流れが変わってきます。

取り組みを続けるには3つのコツがあります。第一に、他者の承認を求めないこと。苦手なことへの努力は周りから見れば滑稽に見えることもあり、否定されたり馬鹿にされることもあるでしょう。しかし、認めるのはあくまで自分自身です。第二に、報われなさを織り込むこと。苦手分野への取り組みは成長にはつながりますが、客観的な成果は出にくいものです。第三に、限界を知りつつ全力を尽くすこと。得意な人も努力している中で、それを超えるには執念が必要ですが、それでも負けることはあります。敗北を知りつつも、皮肉屋にならずに全力を出し続けることが大切です。

③受け入れと環境探し

執念を持って全力で取り組めば、必ず成長はします。しかし、すべてが解決するわけではなく、客観的な不足や不安は残るでしょう。それを受け入れることが必要です。周りの評価によらず、最善を尽くしてきた自分を認めて前を向いていくことが重要です。

その上で、残った特性を弱点ではなく強みとして活かせる環境を積極的に探すことが現実的な対策となります。敵意の少ない職場でリラックスして力を発揮する、リスク管理など注意深さが長所となる仕事を選ぶ、綿密な準備力が評価される分野で活躍するなど、自分に合った環境を見つけることが大切です。

(4)まとめ

生来の不安は消えにくく、薬などの対策には限界があるため、共存と対策が必要になります。重要なのは、結果を求めるのではなく「自分との闘い」として捉え、直面して改善に執念を燃やし続けることです。

最善を尽くした上で残る不安の特性は認めつつ、ベストを尽くした自分を評価し、その特性に合う環境を探していく。これが不安が強い人にとっての現実的で建設的な対処法となるでしょう。完璧を求めるのではなく、成長と受容のバランスを保ちながら、自分らしく生きていく道を見つけることが大切なのです。

こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)

#不安障害  #精神科医 

【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

不安が強い人の対処法は?|原因と今日からの具体策【精神科医が解説】

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